●2025年01月08日 カトリック中標津教会FAX番号変更のお知らせ
●2025年01月01日 2025年年頭司牧書簡
2025年1月8日 カトリック札幌司教区 事務局長 松村繁彦
2025年1月14日(火)午後、カトリック中標津教会のFAX番号は電話番号と同じ番号になります。
現行FAX:0153-72-5301 → 2025年1月14日(火)午後より 0153-72-4761(電話・FAX)
2025年1月1日 カトリック札幌司教区 教区長 勝谷太治
札幌教区の皆さんにクリスマスと新年のご挨拶を送ります。
今年2025年は25年おきに開催される「通常聖年」です。期間は2024年12月24日バチカンのサンピエトロ大聖堂の聖なる扉が開かれてから2026年1月6日主の公現の日に閉じられるまでです。札幌教区のような部分教会は2024年12月29日から2025年12月28日までとなります。今年の聖年は「希望はわたしたちを欺くことがありません(Spes non confundit)」(ロマ書5・5)をモットーとし、私たちが希望の巡礼者として混沌とした世界各地に希望のメッセージを届けるものとなるよう呼びかけられています。特に教皇フランシスコが就任以来2015年の神のいつくしみの特別聖年、教皇文書、シノドスの流れの中で強調され続けていること、裁く教会ではなく慈しみとゆるしに満ちた教会、全世界のすべての人に居場所がある教会、そしてシノダリティー(ともに歩む教会)を実現するため、私たち一人一人が回心し、出向いていくよう呼びかけられています。私たちはこの聖年を神の恵みやゆるしを「受ける者」としてだけではなく、「もたらす者」となるべく、「希望の巡礼」に出かけようではありませんか。
そして、昨年『いのちへのまなざし』以来となる司教団文書『見よ、それはきわめてよかった』が発表されました。これは総合的な(インテグラル)エコロジーへの招きです。2015年、教皇フランシスコは回勅『ラウダート・シ―ともに暮らす家を大切に』を発表し、すべての被造物が互いに関連し合っており、私たちの生き方もそれと強く結び合わされていること、その為に互いの調和のうちに生きていく道を探るよう呼びかけられました。日本の司教団はこれに応え、2017年に司教団文書『いのちへのまなざし』を大幅に改訂し、環境問題についてより詳しく取り上げました。そして今回この司教団文書『見よ、それはきわめてよかった』を発刊するに至りました。
『ラウダート・シ』の中心的なテーマの一つである総合的な(インテグラル)エコロジーは、「神と、他者と、自然と、自分自身との」(LS10)調和ある関係を追求するもので、これらはそれぞれ分かちがたく結びついていて、私たちのライフスタイルの変革が呼びかけられています。本書ではこれを「観る」、「識別する」、「行動する」の3段階で考察し、具体的な行動をとるよう呼びかけをしています。
昨年(2024年)、シノドス第2会期が終了しました。具体的な実りはこれから発信されてくることと思いますが、大きな実りとしては、教会における識別の手段として「霊における会話」が奨励され、浸透しつつあることでしょう。昨年の年頭書簡で、分かち合いによる識別について書きましたが、シノドスの会議で実際に行われた「霊における会話」はまさにその具体的な方法です。「霊における会話」が「分かち合い」と異なる点は、互いに傾聴し合うところは同じですが、その中に聖霊の導きを聴き取ることに主眼が置かれています。分かち合いは基本的に結論を出すものではありませんが「霊における会話」は饒舌な人も、口下手な人も、押しの強い人も、引っ込み思案な人も、全員が等しく発言の時間を与えられ、そして、そこに聖霊の「声」を識別するのです。その為に、話し、聴くこと同様、「祈る」ことが最も重要なことになります。数人の話を聞くごとに、あるいは分かち合いのステップが終わるごとに、必ず「祈る」ことによって、聖霊に耳を傾けることが大切です。こうして、単に聞きっぱなしになったり、単に意見を調整して合意を得たりすることではなく、意見の相違があっても聖霊がいま私たちをどこへ導こうとしているのかを識別することが大切なのです。このような方法は、これから皆さんにお願いする以下の事柄を検討していただくために最も有効であると思われます。「霊における会話」は繰り返し実践することによって深められ確かな識別へと導かれるので、是非小教区等で実践し続けることをお願いします。
さて、上にあげた教会の動きは信者一般に向けられた生き方の変革へと私たちを招くものですが、さらに、身近な教区のことに目を向けてみましょう。今までの私たちの教会の在り方を見直し、大胆に変革の道を進み始めるために皆さんにお願いしたいことがあります。2025年を「変革」の年としたいのです。慣れ親しんだ今までの教会の在り方を大胆に見直し未来への新しい在り方を共に模索していくために、信徒、修道者、司祭が一丸となって取り組んでいただきたいのです。昨年(2024年)6月、札幌地区宣教司牧評議会より、かねてから諮問していた事項への答申がなされました。この答申内容をいかに実施していくかについて皆さんにお願いしたいのです。具体的な内容に入る前に、これまでの経緯を簡単に説明いたしましょう。
2022年3月、わたしは札幌地区小教区再編諮問委員会(未来を語る会)を立ち上げ、逼迫した教区財政と司祭数の減少に鑑み、5年以内に実行可能な実効性のある小教区再編計画を出すように諮問しました。これに対して翌年3月小教区の司牧体制、財政、組織等の改革の具体的ビジョンが答申されました。具体的な内容にはここで触れませんが、この答申を実行するために、まず札幌地区から実施していきたいと考え、この答申内容を札幌地区でどう実行できるか検討するよう札幌地区宣教司牧評議会へ再諮問いたしました。これに対して、昨年6月に答申がなされたのです。聖職者にすべてを頼る体質(聖職者至上主義)から脱却し、信徒によって教会の維持管理、宣教、養成等を実施するための具体的提案がなされ、それら一部は「典礼」、「養成」においてすでに実施され始めています。そして、小教区再編についても具体的な提案がなされています。将来的に札幌地区を5つのブロック(チーム)に分けたチーム司牧の提案です。わたしは今回諮問するにあたり、議論すべき課題をあげるのではなく、実行可能な具体的な案を出すよう求めました。議論をして何も実行しない今までの反省から、答申が出されたならすぐに実現することを目指して具体的に動き出すことを明言しました。5つのチームに分けることが適当かどうかは後にして、このような体制を実現するための諸課題が具体的に挙げられています。そして、それをクリアーしなければ近い将来これを実現することは不可能です。そこで、取り組んでいただきたいことは以下の通りです。
・今のブロック割の見直し(以下を実行すると元に戻すことが難しくなる為)
・教会委員会、運営委員会をブロックで統合一体化し教会規約を統一する
・小教区会計のブロックへの一本化
・小教区の特別会計(建築資金、修繕費等)の札幌地区あるいはブロックへの一本化
・地区会計の設置
当面、小教区を維持するために教会事務(台帳管理、転出入手続き等)は各小教区に残しますが、将来的にはこれも一本化の方向へ進みます。これらを1年ないし2年以内をめどに実行したい考えです。その為、コロナで休止しているブロック会議を速やかに再開し、今年いっぱいの中で意見をまとめていただくようお願いします。また、答申を出した宣教司牧評議会が各ブロック、答申で言う各「チーム」の議論をリードしていただきたいと思います。
札幌地区の話になりましたが、他の地区の皆さんにも、地区を前述のブロックに置き換えて、同様の検討をするようお願いいたします。最後に、司祭の減少への対応策として今行われているのは、外国からの司祭の招へいです。しかし、言うまでもなく、本来的な意味で教区を担っていく司祭は地元で生み出すべきです。そして、司祭が召命を感じその道を歩み始めるには、支える人々、その母体となる信徒の共同体が生き生きと福音に生きている姿がなければありえません。昨年、「一粒会」の立ち上げを決定し、その規約を作成しました。今まで、一粒会は教区司祭を育成するための募金を意味していましたが、これからは教区に限らず修道会司祭修道者も含めて、召命を促進するための活動として札幌教区全体で取り組んでいきたい考えです。召命促進はすなわち教会共同体の活性化へとつながるものと信じています。
今回も長い文章になってしまいました。さらに、お願いが中心になってしまいましたが、札幌教区にとって「危機」は「機会(チャンス)」でもあることを信じ、希望の「聖年」を共に歩んでいきましょう。