お知らせ(2024年)


【カリタスジャパン】能登地震災害緊急支援募金報告-2024年3月

2024年4月13日 カトリック札幌司教区 カリタスジャパン担当司祭 松村繁彦

札幌教区の皆様へ

 教区の皆様におかれましては、平素よりカリタスジャパンの活動にご理解とご協力を賜り、心から感謝と御礼を申し上げます。
 カリタスジャパンより能登地震災害緊急支援募金活動報告(2024年3月)が届きましたのでお知らせいたします。

 能登地震被災地では、名古屋教区カリタスのとサポートセンターを中心に、被災された方やコミュニティの必要に応じた支援活動を行っていますが、すべての活動は全国の教区、小教区、個人の皆様がカリタスジャパンに寄せてくださった募金に支えられています。発災から3か月が経ち、この間の募金状況と活動をまとめた報告書が届きました。
 【カリタスジャパンウェブサイトからダウンロード▶https://www.caritas.jp/wp-content/uploads/2024/04/240412notoreport.pdf
 今日も被災地では、被災された方、一人ひとりに寄り添った活動が行われています。皆様のお祈りとご支援に心よりの感謝を申し上げるとともに、引き続きのご支援とご協力をお願いいたします。


ペトロ・千葉充神父叙階(2024年3月20日)

2024年3月22日 カトリック札幌司教区 事務局長 松村繁彦

 前日までの雪空が嘘のように青空広がる320日春分の日、カトリック北一条教会において、ベルナルド勝谷太治司教司式により、ペトロ千葉充新司祭叙階式が挙行されました。当日は道内外から50名を超える司祭助祭神学生、約400名の信徒らが駆け付け、札幌司教区では5年ぶりとなる新司祭の誕生を盛大にお祝いました。叙階式の後、カトリックセンターでティーパーティーが行われ、多くの方々が千葉新司祭を囲んで喜びのひと時を過ごしました。
 千葉神父のメッセージは4月発行の教区ニュース45号をご覧ください。

 【ペトロ千葉充神父】(ちばみつる) 1976713日小樽市生まれ47歳。1977109日住ノ江教会にて受洗。


リッタースハウス・フィリップ神父に係る報告

2024年3月19日 カトリック札幌司教区 教区長 勝谷太治

札幌教区の皆様へ


一昨年、フィリップ神父が所属するパリ外国宣教会の指示により急遽帰国したことについて皆様にご報告いたします。

  フィリップ神父はフランス人男性T氏より、不同意性交で告発され、現在フランスで調査中です。まだ裁判等は開始されておらず、今後どうなるかは不明です。今回の件について札幌司教区はフィリップ神父の帰国後その情報を入手し、パリ外国宣教会に対して報告を求めてまいりましたが、何ら具体的な回答や情報開示はなく、札幌司教区として明確な事実確認ができないまま今日に至っております。 

T氏とは数回の面会の他、メールで何度も対話してまいりました。T氏は本件についての公表を希望されておりますが、札幌司教区としては事実確認が一切できない状況での公表については控えてまいりました。しかしT氏の心痛苦しみを思う時、経過についてありのままを教区信徒の皆様へお伝えすべきと判断致しました。

 T氏はフィリップ神父が着任した小教区を訪問し、ご自身の現状を訴えられております。信徒の皆様におかれましては、前述の経過をご理解いただき、対応にお困りの際には札幌司教区本部事務局へご連絡くださいますようお願いいたします。

なお、札幌司教区としては今後もT氏に寄り添いながら、東京教会管区とも連携し、パリ外国宣教会に対して速やかな情報公開を求めていきたいと考えております。

以上


3教区連携によるベトナム人に向けた入門講座・結婚講座のお知らせ

2024年3月15日 カトリック札幌司教区 事務局長 松村繁彦

札幌教区の皆様へ


✞ 主の平和

この度、札幌・新潟・仙台教区の連携によりベトナム人に向けた入門講座・結婚講座をオンラインにより実現することができるようになりました。
日本文化とは違い、ベトナムでは各々学習の時間量が決まっておりその規定に達しない場合は入門も結婚もベトナムでは認めないという事になっています。
そのため、オンラインによるベトナム語の学習の機会を教区を超えて連携することにより実現できるようになりました。
どうぞ、各小教区において悩んでいるベトナムの方々がおられましたら、相談窓口もありますので、このパンフレットをご紹介いただければ幸いです。
なお、3者連携プログラムの事務局は札幌教区の松村神父と西(難民移住移動者委員会メンバー)が担当しておりますので、ご相談いただいても構いません。

※2024年3月28日:日本語版の案内で一部修正がありましたので、PDFは差し替えさせていただきました。(ベトナム語版の修正はありません)

ベトナム語案内


故近藤光彦神父・谷内武雄神父 命日ミサのご案内

2024年3月8日 カトリック札幌司教区 事務局長 松村繁彦

札幌教区の皆様へ


✞ 主の平和

 札幌教区司祭の トマス・アクィナス 近藤光彦神父(2023年3月7日帰天)と、アシジのフランシスコ 谷内武雄神父(同年6月9日帰天)が亡くなられて早1年が経ちます。

 この度、お二人の神父を思い起こしながら下記の通り命日ミサを執り行うこととなりましたのでお知らせいたします。制限は設けませんので、一緒にお祈りくださいます方はご参列いただけると幸いです。


   日時 2024年4月22日(月)16:00より

   場所 カテドラル北一条教会

   司式 勝谷太治司教


※ ご一緒に参加いただけなくても心併せてお祈りくださいますようお願いいたします。
※ 共同司式をされる司祭・助祭はアルバとストラ(白)をご持参ください。


小樽教会住ノ江聖堂閉鎖のお知らせ

2024年3月1日 カトリック札幌司教区 教区長 勝谷太治

札幌教区の皆様へ


✞ 主イエス・キリストの恵み、神の愛、聖霊の交わりが皆さんの上にありますように

 日ごろから、札幌教区の宣教司牧に従事され、心より感謝いたします。

 さて、2024年1月30日の顧問会(責任役員会)、および2月27日の司祭評議会において、1月29日付で札幌地区長・小樽教会主任司祭と教会運営委員長より提出されました「小樽教会住ノ江聖堂の廃止のお願い」を受け、検討の結果、小樽教会住ノ江聖堂を閉鎖することとなりましたので、ここに報告いたします。

 長きにわたり、小樽市住ノ江地区において宣教司牧に尽力された方々に感謝し、また小教区・聖堂としてキリストを宣べ伝えられたことを忘れず、今後も小樽教会として共に歩まれるようよろしくお願いいたします。

 今後の住ノ江聖堂の用途については、小樽教会共同体と共に検討を続けてまいります。

 なお、4月28日(日)15時より住ノ江聖堂での最後のミサを勝谷司教司式のもと執り行うことを決定しましたので、共にお祈りくださいますようお願いいたします。

以上


聖香油ミサのご案内

2024年2月1日 カトリック札幌司教区 教区長 勝谷太治

✞ 主の平和

信徒・修道者・司祭の皆様へ

暦の上では春なのですが、北海道はまだまだ寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。さて、3 月26 日(火)に聖香油ミサを行います。
このミサでは、油の祝別に加え、司祭職の更新も行われます。共に祈っていただけますと幸いです。

※なお司祭の方は、聖香油ミサ後の食事会は行わずに、持ち帰り用の弁当を用意させていただきます(その場で食べることもできます)。
 つきましては、聖香油ミサ参加の有無及び弁当の必要個数を別紙にて3月18日(月)までご回答いただけますようお願いします。


  1. 日 時: 20 2 4 年3 月26 日(火)午前11時00分

  2. 会 場: カトリック北1条教会(司教座聖堂)

  3. その他

    ※ 司祭の皆様は、白のストラとアルバをご持参ください。

    ※ 聖香油入れの空き箱(外箱のみ)がございましたら、当日お持ち頂けると幸いです。


札幌教区司祭叙階式及び司祭助祭候補者認定式のご案内

2024年2月1日 カトリック札幌司教区 事務局長 松村繁彦

✞ 主の平和

札幌教区の皆様

春に向けて新たな人事、新しい出発などが見えてくる時期となりました。添付資料の通り、この2月末・3月末にそれぞれ叙階・認定の式が決定しました。
ご確認いただき、お祈り頂ければ幸いです。

札幌教区司祭叙階式ご案内

司祭助祭候補者認定式ご案内


新駐日教皇大使の任命

2024年1月26日 カトリック札幌司教区 事務局長 松村繁彦

✞ 主の平和

教皇フランシスコは2024125日ローマ時間正午(日本時間午後8時)、新駐日教皇大使として、ベネズエラ出身のフランシスコ・エスカレンテ・モリーナ(Francisco Escalante MOLINA)大司教を任命したことを発表しました。モリーナ大司教は本任命まで、ハイチの教皇大使を務めていました。

エスカランテ・モリーナ大司教に関する略歴等の詳細は、中央協議会のHPをご覧ください ▶https://www.cbcj.catholic.jp/japan/rome/


札幌教区ホームページリニューアルのお知らせ

2024年1月25日 カトリック札幌司教区 広報委員長 松村繁彦

✞ 主の平和

タイトル標記の通り、2024年1月25日をもって札幌教区のホームページがリニューアルされましたのでお知らせいたします。
PC・タブレット・スマートフォンでも利用できるようになっております。

なお URL https://www.csd.or.jp です。(www.が入りました)

今後少しずつ情報を増やし、福音宣教に役立つよう努力して参りたいと思います。各小教区・諸施設の情報もご確認いただき、皆様のご意見を受けてより良いものにしていきたいと思います。今後ともどうぞご協力をお願いいたします。


札幌教区司祭叙階式のお知らせ

2024年1月9日 カトリック札幌司教区 事務局長 松村繁彦

✞ クリスマスと新年のお慶びを申し上げます。

 この度、ペトロ千葉充助祭が、東京カトリック神学院の評価を受け、札幌教区にて神学生養成担当者ならびに司教の判断により、札幌教区の司祭に叙階されることが決定されました。

 ここに喜びのお知らせをお伝えするとともに、下記の通りに叙階式を執り行います。札幌教区の皆様には事前にお伝えをいたします。

司祭叙階者 ペトロ 千葉 充 助祭

叙階式 2024年3月20日(水)春分の日 14:00 カテドラル北一条教会 (詳細は追ってご連絡いたします)


カリタスジャパンが能登地震の募金を開始しました

2024年1月9日 カトリック札幌司教区事務局長・カリタスジャパン担当司祭 松村繁彦

✞ クリスマスと新年のお慶びを申し上げます。

 正月早々痛ましい災害が起こり、未だに不明者も見つからない状況が続いております。雪深い北陸においては、更に生きる事のつらさが更に襲い掛かっています。冬の厳しさをよく知る北海道民にとっては、その苦しみは更に共感できるものと思います。一日も早い復興と、人々の慰めがあるよう、お祈りもお願いいたします。

 この度カリタスジャパンも緊急支援募金を開始することになりました。先日は札幌教区内の各施設に、名古屋教区に向けて募金をお願いいたしましたが、今回のカリタスジャパンの支援募金は、被災された地域全体に向け、教会の枠を超えて支える目的となっております。

 施設ごとでも個人でも構いませんが、別紙を参照いただき、支援いただけましたら幸いです。以上


能登半島地震募金協力のお知らせ

2024年1月5日 カトリック札幌司教区事務局長・カリタスジャパン担当司祭 松村繁彦

✞主の平和

 2024年1月1日に発生した能登半島地震について、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

昨日1月4日、カトリック名古屋教区松浦悟郎司教様より被災状況連絡がありました(「能登半島地震被害についての報告と対応(1)」「能登半島地震 石川地区・富山地区の状況について」)。これを受け、札幌教区でも募金協力を進めたいと思います。札幌教区でのとりまとめは行わず、直接下記名古屋教区口座へ送金くださいますようお願いいたします。募金協力と併せお祈りもよろしくお願いいたします。なお、現在のところ、第一次募金は2024年6月末まで行う予定とのことです。

【振込先】郵便振替口座番号:00810-5-5065 加入者名:カトリック名古屋教区 通信欄に「のと地震」と明記してください


2024年 年頭司牧書簡

2024年1月1日 カトリック札幌司教区 教区長 勝谷太治

札幌教区の皆さんに年頭のご挨拶を送ります。

 コロナによる行動制限がなくなり、休止していた教会の各種活動が再開し、教会活動は通常に戻ろうとしています。コロナ前に行っていた司教の公式訪問はコロナ禍にあってできずにいましたが、その間も公式ではない形で、各地の教会を訪ね主日のミサの手伝いを続けて来ました。今も、出張や研修等の業務がない日曜日はできるだけ小教区でミサをするように努めています。昨年は36の主日に各地の教会を訪問することができました。例年に比べ多くの教会を訪問できたと思っていますが、それでも巡回教会を含めて58ある教区内の教会を主日に訪問するには数年がかりになってしまいます。少なくとも年に1回は小教区を訪問してほしいという声が聞こえてきますが、このように努力していることをご理解いただきたいと思います。

コロナ禍の影響

 各地の教会を回って感じたことは、コロナ禍における行動制限は想像以上に教会共同体にダメージを与えたということです。以前から、教会で青年を見かけることは稀でしたが、加えて子どもを見かける教会が少なくなり、当然その親世代の姿もありません。私が訪問した時に子どもが侍者をしていた教会は極めて稀でした。それに加え、コロナ禍により教会から離れた人たちが戻らず、中止されていた様々な教会活動も再開できずにいるか、以前のような活力を失っているところが多く見受けられます。今、求められている視点は、どのようにして過去の教会の姿に戻すかではなく、今を出発点として、どのような教会の未来図を描くかということです。その為の議論が、地区や教区の宣教司牧評議会を中心に進められています。今年は、何らかの方向性が提言されるでしょう。

教会の多国籍化

 一方、どこの教会を訪問しても目立ったのが外国籍信者、特にベトナム人青年の増加です。彼らが朗読等の典礼奉仕を行っている教会が多数あり、特に地方の教会でそれが顕著でした。以前の年頭書簡で触れていた「日本の教会は、日本人のみの教会ではない」ということが確実に現実化しています。ここに、進むべき教会の未来図の一端を見ることができる気がします。

継続するシノドスの歩み

 シノドスの歩みについて、昨年各教会を回って多く聞かれたのが「まだシノドスやっているのですか」という声です。更にシノドス自体について理解していない人が多数いることから、ミサ後に説明の時間を設ける教会も多くありました。シノドスは2021年に開会が宣言され、昨年10月に第1会期を終え、今年の第2会期に向けて動き出しています。今回のシノドスの特徴は「会議」を目的とするのではなく、会議に向けてのプロセス、シノドス性(ともに歩む)が目的です。(今回のシノドスについての詳しい解説は一昨年の年頭書簡をご覧ください。)そして、それは会期を終えて終了するのではなく、今後の教会の歩みとして継続されていくことが期待されています。それは、とりもなおさず、各小教区自体が、互いに耳を傾け合い、すべての人が参加できる教会共同体の在り方を目指し続けることです。

見えてきた克服すべき課題

 このシノドスの歩みを続けるにあたり一つの課題が見えてきました。昨年、第1会期を終えるにあたり、全世界の信徒に向けて「神の民への手紙」が、バチカンから発表されました。その中に次のような一文があります。

 「識別を進めるためには、教会は絶対的に最も貧しい人から始めて、すべての人の意見に耳を傾ける必要があります。そのために教会は回心の道を歩むことが必要であり、それは賛美の道でもあります。(中略) それは社会で発言する権利を否定された人や、教会からさえも排除されていると感じている人の声に耳を傾けることであり、あらゆる形の人種差別の犠牲となっている人、とりわけいくつかの地域の文化を蔑視されている先住民族の声に耳を傾けることなのです。現在の教会は何よりも回心の精神を持って、教会メンバーによる虐待の被害者となった人々の声に耳を傾け、このようなことが二度と起こらないようにするために具体的に組織として取り組む義務があります。」

 この文章のメッセージを私たちの教会の身近な問題の視点でとらえると深刻な問題が浮き彫りになります。「教会からも排除されていると感じている人」。「教会メンバーによる虐待の被害者となった人々」。これは、ご存じの通り世界的に見た教会の問題を指しているものですが、決して遠くの国で起こっていることではなく、私たちの教会内でも起こっている身近な問題なのです。教区内でシノドスの歩みを続けていくために、会議のやり方を変えたり、「分かち合い」を実施したりしていくこと等いろいろなことが提案されていますが、その前提を崩しかねない現実があることが最近分かりました。それは教会内の「ハラスメント」です。

札幌教区内のハラスメントの状況

 昨年、札幌司教区ハラスメント対応デスクが教区内でアンケートを実施し、584の回答が寄せられました。その中の「教会内でいじめ、いやがらせ、ハラスメントがあると思いますか」という設問に対して、41%の人があると答えたのです。そして、その内容は「司祭・修道者から」が24%だったのに対し、「信徒同士」が87%にも上りました。このアンケート調査を任意回答にした小教区もあったため、問題意識を持っている人がより多く回答したということも考えられますが、その割合の多さに驚かされます。そして、その記述内容から思っていたよりも深刻な実情が浮き彫りになってきました。個人的な関係で人格を否定されるような言動を取られて傷ついた体験も多数ありましたが、より深刻な問題と感じたのは、組織内で権威をもった信徒、あるいは肩書はともかく教会内で支配力を持った信徒によるパワーハラスメントです。そして、ハラスメントを行う人に共通していることが、その自覚がないことです。司祭が教会運営にかかわるのが難しくなってきている現状を鑑みると、それに代わって指導的な役割を任される信徒にこのような問題があることは教会にとって致命的です。

  ハラスメントを受け苦しむ人の存在に気づき寄り添うことは大切です。そして、ハラスメントを行っている人にそのことを自覚させることは難しいことですがさらに大切です。いじめやハラスメントを見て見ぬふりをするのではなく、現実を直視し顕在化させることが必要です。しかし、それを憎しみや復讐のような否定的な感情に基づいてなしてはなりません。私たちの共同体の中心にキリストがおられることを強く意識し、その愛に導かれるよう努めなければなりません。否定的な思いが如何に強くともそれに支配されてはなりません。そのような時こそ、祈りと識別が必要となります。ハラスメントについては、これまで司祭のための研修をたびたびおこなってきましたが、今後は教会でリーダー的な役割を持つ信徒のための研修会を準備したい考えです。尚、ハラスメントのアンケート結果は近くまとめられ公表される予定です。

教会運営に「分かち合い」と「識別」を

 シノドスの歩みを継続していくにあたり、大切な要素として指摘されているのが「分かち合い」と「識別」です。昨年の年頭書簡でも触れましたが、シノドス教区フェーズのための質問に対する、各小教区からの回答でもこれから教会の在り方を識別していくために「分かち合い」が大切であることが指摘されていました。「分かち合い」という表現は本来何らかの結論をだす「議論」には使われませんが、その精神を生かすという意味で使っていることをご了承ください。教会員すべての人の意見が尊重されるためには、強い立場の人、声の大きい人、押しの強い人の意見ばかりが通ってしまう教会の会議の在り方を見直す必要があります。まさに、この点がハラスメントの温床になっていると考えられます。気が弱く発言できずにいる人の意見も同等に重いものであり、それを無視したり、精神的な圧力で封じ込めたりすることなく相手をリスペクトして耳を傾ける姿勢は「分かち合い」の鉄則であり、シノドスの精神の根幹です。そして、私たちのこの集まりの中に主イエスがおられることを意識し続け、聖霊の導きを常に感じ取ることが「分かち合い」です。どれほど「正論」と思われる意見が、声高に提案されていても、静かに聖霊の働きを意識する人たちがその意見に違和感を持つとき「正論」=「正解」ではないこともあるのです。識別とは本来「話し合い」と「み言葉」を聞くこと、そして「沈黙の祈り」の繰り返しの中で、選び取られていくものです。私たち一般信徒が実践する場合は、それほど厳密に時間をかけてする必要はありませんが、話し合いの結論を出す前に、み言葉に耳を傾け祈りの時間を設け、理屈ではなく、出そうとしている結論に皆が一致して希望、勇気、慰め等の肯定的な思いを持てるならば、それを聖霊の導きと判断するという方法をとることをお勧めします。

信徒中心の教会の向かうべきところ

 今後信徒の教会における役割は、ますます大きくなってきます。教皇様が繰り返し教会の克服すべき悪弊と指摘しておられる「聖職者中心主義」ですが、これは、いまだ解決されない教会の現状でもあります。しかし、それは司祭の側だけの問題ではありません。なんでも司祭に頼り、全ての判断を司祭にゆだねてしまおうとする信徒の側にも問題があります。司祭のパワハラは言語道断ですが、なんでも仕切ってしまう司祭の多くは、善意をもって信徒に尽くそうと誠心誠意頑張っているのです。結果、全てを取り仕切らざるを得ない司祭になっているのです。

 しかし、この現状は司祭や信徒のメンタリティーの変化を待たずに、現実が先行する形で解消されつつあります。司祭の高齢化と減少はさらに深刻になり、教会の運営は信徒に委ねられる形に変わっていかざるを得ない状況です。そして先のハラスメントアンケートでも報告されていたのですが、高齢や権限を持たない協力司祭に対する信徒による逆ハラスメントが起こっているという報告もあがってきています。信徒が権限を持つと司祭以上に権威主義的になるという指摘は以前から世界各地から報告されています。

 教会の未来像を描くとき、信徒中心の教会にイエスの現存を感じられ、福音に生かされた宣教する共同体が実現するかどうか、その可能性と方向を決定づけるのは「今」の私たちです。